「セルフケア」を介護に活かす②~”ゆるす”ということ~

常に変化する中で、うまくいかないことや、くよくよしてしまう出来事に遭遇することもあると思います。過去の出来事を思い出して後悔したり、ケアする人もされる人も、色々な感情が蘇ってくることもあるのです。特に、初期段階で色々と話を聴いているときに、不安や「あのときこうしていればよかった」「なんでこんなことになったのだろうか」といった感じで後悔したり・・。大事なことは、ネガティブな感情も含めて全て出し切るようにすること。つまり、「デトックス」です。

私の両親の場合は、事故や骨折などによるリハビリがメインでしたが、まずは、身体の痛みから不安になったり、落ち込んだりしないように配慮しました。20数年前、父が交通事故に遭って脳挫傷で入院した際、伯父が家族にアドバイスしてくれたことがあります。「事故の影響でうつ状態になることもあるから、家族はやさしくしてあげてください」というものでした。内科医でしたが、長年、訪問診療をして家族と患者さんを診ていただけあって、突然の事故などによる身体の変化や痛みは、”心”にも影響するということを伝えたかったのだと思います。

通常のメンタルケアにも通じるものですが、私自身が心けていることは、デトックスーリラックスーバランスのプロセスです。まずは、じっくりと話を聴いて、デトックス。それによってIQが上がり、心が安定してリラックス。そうして初めて、バランスのある物の見方や考え方ができるようになってくるようです。それでも、後悔がでてきたら・・

受け止めて、流していく

雲がながれていくように全ては、流れていく

もくもくとわく雲の様子をみるように、ケアする人は、ただ、その様子を眺めてみる

まずお話を十分聴いた後は、音やリズムに着目していきます。人間の最も”古い記憶”を蘇らせるのが「聴覚」なのだそうです。「音の記憶」が蘇るシーンとして記憶に新しいのが、昨年、奇跡の実話として映画化された”8年越しの花嫁”です。花嫁となるはずの麻衣が、突然の病で倒れ、6年にわたる長い昏睡状態に。徐々に意識を取り戻し、意識回復後の長いリハビリを経て、退院。

ある日、両親と自宅でテレビを見て、歌謡曲を聴いているとき、メロディを口ずさむシーンがあり、おもわずハッとしました。映画の中では、それをきっかけに色々な記憶が蘇ってくるようになります。まさに、”音”をきっかけに、細胞がゆさぶられ、「過去の記憶」が蘇ってきたのではないでしょうか・・。父は、呼吸、音、「リラックスイメージ」エクササイズでカラダと心を”ゆさぶる”をしている最中、母親が若いときに亡くなったこともあり、それを思い出すと「かわいそうだった」と言って涙していました。

母なる大地のたおやかさ

何歳になっても、男性にとって母親はシンボルのようなもの。そこで、自分自身がやってきた「セルフケア」の一つであり、「メンタルトレーニング」などでも使用してきた音とリズムで嫌な気持ちをリセット!「手放す」トレーニングを行いました。「ふ~」「ふ~」という呼吸と共に、手のひらを下にして、手を広げたり閉じたりしながら「手放す」動作を一緒に行い、感情の全てを”水に流す”イメージトレーニングです。また、おりんの音に近い”音叉ヒーリング”も行いました。

水のパワーで全てが丸くなっていく

どんなに石がとがっていたとしても、ときと共に、まるくなっていく

柔らかいものは、固いものよりもパワーがあるのです。

このように、自分以外の誰かが登場するということは、少し余裕が出てきている証拠。ここでも、湧き出る感情を押し殺さずに、ただ、相手の心の声に耳を傾けていきます。それでも、感情が大きく動揺するようなこともあるかもしれません。そのようなときは、ケアする中で感じたことをただひたすら書いてみましょう。もし余裕があれば、良かったこと、悪かったことを書いてみる。1週間続けていき、毎週定期的にチェックしてみる。できれば、客観的に見てくれる人にサポートしてもらうと効果があります。

さらに、紙に書いてびりびり破る→嫌な気持ちを音でリセット!これは、ブルーの文字で書くといいでしょう。ブルーはあなたを冷静に導いてくれます。(職場で行うときには、くれぐれも注意してください^^)この方法は、ケアする人やセラピストだけとは限りません。「メンタルトレーニング」の個人レッスンで50代の男性は、この方法を取り入れて冷静になれたと言っていました。

■両親に重ね合わせる背景にあるもの

日本人の精神文化の背景にあるものとして、両親に重ね合わせてみてしまうことがあります。欧米の人は切り離して考えるのに対して、日本人は、親族を大事にするという傾向があります。特に、40~50代は、年老いていく両親を見たり、介護を通じて自分自身と親の姿を重ね合わせて、不安になる傾向があるように思います。

実は、まだ、未完成のこと、達成できていない何かを感じているとき、人は立ち止まる

だから、その声を受け止めてみること。もしかしたら、やりたかったことや言えない気持ちを抑えてきた可能性があるのです。親と向き合うことは、実は、自分自身と向き合うことでもあるのです。

■”ゆるす”の本当の意味とは?

子どものときからやりたかったことがあったけれど、親がダメだと言った、時代がそれをゆるさなかったからと”封印”してしまったことはありませんか?実は、両親それぞれにも、やりたいことがあったようです。今まで、「自分ばかりがなぜ?」と思っていたことはないでしょうか?「目の前の人がゆるせない・・」というとき、たいていは、自分にゆるせない何かがあることが多いのです。

ゆるすとは、「許す」ということ

自分が「○○したい!」と思ったことを「やってもいい」という許可をだすこと。実は、多くの人は、社会的な価値観や他人と比較して生きています。思い込み そこから解放されて、自分にとって心地よいものを知ること。魂が本当に求めることや、大事だと思っていることをすることを自分にゆるしていくこと。そうすることで、心が安定してくるようになります。まずは、「今までの私はそれでよかったんだ」と受け止めてみること。その上で、自分自身に「本当は、○○したかったんだね」って話かけてあげるといいですね。「キャリアコンサルティング」を通じて感じてきたことは、子どものとき~20代までに、やるべきテーマが与えれているのではないかということです。

実は、「転機」だと思ったことの中に、あながたなしとげるべき人生のヒントが隠されているのです。自分自身の生き方を振り返るとき、身近に登場する両親や先生、周囲の人がヒントになります。未来に展望を持つとき、過去の意味のある過去を丁寧に見ていくことが大事になります。だからこそ、40代~50代のライフキャリアの展望を見出すことが大事になってくると思うのです。とことん向き合ったあとは、ゆだねて生きる。

次回は、禅的思考、自然と一体化して”ゆだねる”生き方についてお伝えします。

前回の記事はコチラ⇒セルフケアを介護に活かす①~カラダと心をゆさぶる~

 

(株)キャリパース代表
心×才能 可能性を拓く専門家
伊東明子

 

 

 

 

 

 

 

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