「セルフケア」を介護に活かす①~カラダと心をゆさぶる~

「人生は自分を愛する旅」のようなもの。~ゆさぶる、ゆるす、ゆだねる~ 生き方が大事だと気づいて以来、何かにつまづいたときには、3つの「ゆ」を実践しています。

① 感性を研ぎ澄ませ、心、身体、魂を”ゆさぶる”こと
② 過去の失敗を徹底的に”ゆるす”こと
③ 生き方の「方向性」を定め全てを”ゆだねる”こと

すると、不思議と元の自分を取り戻すことができる・・と私自身が感じたことが始まりです。これは、両親の介護をする際にも、大きな力を発揮してくれました。ケアする人には「心の余裕」が必要になってくるからです。「心の余裕」を産み出すためには、日頃から、短期間に、気持ちを切り替える方法を実践して、いざというときに使えるようにしておくこと。つまり、習慣化が大事になってきます。

実は、「セルフケア」としてやってきたことを、両親の介護の際にも試したところ、とてもリラックスして安心感につながりどんどん回復していったので、その方法について随時お伝えしていきます。~今回は、「ゆさぶる」について~「ゆさぶる」のベースとなるものに、「呼吸」があります。人間のカラダは70%が水でできているので、”ゆさぶる”ことで代謝を良くしてくれるのです。元気であれば、運動をしてカラダを”ゆさぶる”

カラダを動かすことは、「運を動かす」ことでもあるのです。

「心の安定」という点では、1分間でもいいので、瞑想や座禅をしてみるといいです(椅子座禅でも大丈夫です)。さらに、自分の「心とカラダが喜ぶこと」を日常の中に取り入れてみることが基本となります。

■両親の介護体験が教えてくれたこと

20数年前、父は交通事故で一命を取り留めましたが、脳挫傷と診断され、最初は歩行も困難な状態でした。リハビリで次第に回復しましたが、右耳の聴力が著しく低下し、腕があがらないなど、カラダに長年の痛みがありました。また、母は、ある日、転んで骨折をして不安によるめまい、身体の痛みなどで日常がままならない状態にありました。このようなことが突然、降りかかってくると、本人も家族も動揺してしまいますが、まずは、じっくりと話を聴いてみること。カウンセリングの基本である「傾聴」が役に立ちました。どうしても家族だと、遠慮がない分、不注意を責められたり、言いたいことをつい言ってしまうというリスクが生じます。

そこで、大事になってくるのが、「少し距離を置く」というスタンスを持つこと。

私自身がしたことは、病院で患者さんに接するように、両親にも接してみたことです。ことあるごとに、「調子はどう?」と話かけたり、普段のお話をするときとは少しトーンを変えて、丁寧に話をしててみたり・・。特に、母のときは「入院がしたくても、ベッドがない!」「めまいで一歩も動けない」「信頼できる情報はどれ!?」「病院を変えるために紹介状を書いてもらうには?」など、常に変化する中で情報収集をして、病院の付き添いを体験。

日々の食事の世話などをどうするかなどについて家族と話合っている中で、”親子が逆転”した瞬間を感じたものです。かつては、こうやってお世話をしてもらったんだな・・ということをしみじみと感じたのです。

母は若いときに、体育の時間は休んでいたというほどの虚弱体質で、家には、「家庭の医学」と「薬草の本」がありました。また、伯父が開業医だったこともあり、漢方に関するアドバイスを頂いて、自然療法で体質改善をしてきました。一方、父は、スポーツ万能で身体を動かすことが大好き。未だに虫歯で歯を抜いたりしたことがないほど、骨太で丈夫なタイプ。音楽やお出かけ楽しいことが好きなのに、事故の後遺症で身体が痛み、心もふさぎがちなこともありました。

■集中して取り組むことで効果を発揮

母が骨折で入院が必要だったとき、実は、父も体調が悪くサポートできない状態でした。そのような中で、初期の段階で、以下のようなことに集中的に取り組んだことが効果を発揮したのです。

①一人ひとり、個別にお話をじっくり聴くこと

最初は、症状のこと、不安に感じていることなどをじっくり聴きました。症状を改善するための情報を収集し、それを伝えることで、「一人ではない、サポートしてくれる家族がいる」ということを実感してもらい、気持ちが落ち着いてきました。

②呼吸、音、「リラックスイメージ」エクササイズでカラダと心を”ゆさぶる”

母は、最初、めまいがすごくて自力では歩くことができない状態だったので、まず、ゆっくりと息を吐いて気持ちを落ち着けることから始めました。次に、試みたことは、母が落ち着ける「音の記憶」にひたってもらうこと。母は、幼少時にお寺で過ごしたことがあったので”おりん”の音になじむのでは?と思い、耳元で”おりんの音”と同じ”音叉ヒーリング”を集中的に行いました。

すると、どうでしょう・・。まず、めまいがなくなり、次第に、落ち着きを取り戻していったのです!また、父も、”おりん”の音になじんでいたこともあり、それぞれに、耳元で”おりんの音”を何度も聞かせてあげました。最初は、母、次に父というように、ここまでのプロセスをそれぞれに対して行いました。次に、徐々に子どものときの楽しかった思い出や記憶や引き出していきました。

母は、「娘時代」のお話、仕事をしていたときの喜びを・・父は、少年時代に過ごした田舎のこと、相撲やかけっこ、スポーツのお話など、あっという間にに昔の記憶は蘇ってきます。人生で楽しかったときのお話を聴くことで、イキイキとした表情になり、明るさを取り戻していったのです!

私が「セルフケア」として実践している、”ゆさぶる”とは・・

呼吸、音、イメージによるヒーリングをして、波動をあげてあげること。

リハビリでは、”超音波” によって心身を回復する器具がたくさん開発されています。つまり、バイブレーションでカラダに波動を与えていきます。人間のカラダは70%が水でできているので、”ゆさぶる”ことで代謝を良くしてくれるのです。まず、ゆっくりとした、呼吸を繰り返しながら、その人が必要な”音の記憶”にひたってもらいます。その後、リラックスできるイメージ(森林の中にいるイメージや水辺のシーン)をイメージしてもらうように誘導していきます。

エクササイズは、毎回異なり、イメージするシーンや色なども体調に応じて変化します。

父は、海辺で育ったこともあり、海辺をイメージしてもらうと、「蜃気楼が、屏風のように輝いて、本当にきれいだった」とイキイキと語り始めました。また、あるときは、桜の木の下で呼吸をしているイメージをしてもらいました。「そういえば、子どものときに、ケヤキの木の下で呼吸をするといいよっ」って言われたなどの感想も飛び出したり・・。まさに、人と樹がやすらぐときを「ひととき」っていいますよね。

両親にこのエクササイズをした後は、毎回、「気持ちいい~」と言って、「心が落ち着いた」「極楽~」と言って、リラックスした表情になりました^^

③一人ひとりに合った、カラダの痛みを取り除く、トレーニングをすること

母の場合は、運動することに慣れていないこともあって、リハビリで理学療法士さんが創ってくれたメニューを一緒に行ってあげました。父に対しては、私が、武道やダンスで培ってきた「気の流れ」を意識した動作を一緒に行いました。その後、自分の腕、指を使って、自分で「気を巡らす」ことができるように、何度も集中して行いました。

すると、どうでしょう・・。何年もの間、肩が痛くて腕があがらなかったのが、数週間もすると、次第に腕があがるようになり、今では、リハビリに通いながら、自分の身の周りのことができるようになったのです!

■「達成感」をプロデュースする

高齢になると、以前は当たり前にできたことが、できなくなったりして徐々にそれを受け入れていくと思うのですが、ある日突然、交通事故にあった、骨折したなど何気ない日常が急激に変化した場合、ショックも大きいようです。ですから、一時的に思い出せなくなったり、物忘れのような症状がでることがあるようですが、医療、介護、家族のケアなど周囲の人の接し方次第で、落ち着きを取り戻してくるのではないかと思います。

つまり「心のケア」が必要だということ。

家族としては、まずは、自分ができる範囲で、小さなことから始めてみる。症状などによって方法も異なると思いますが、私の場合、最初は、数日ごとに、次第に1週間に1回、3か月ほど行ってからは、次第に間隔をあけていきました。その際、自分で自分の身の周りのことができるよう、小さな「達成感」を感じられるようにプランを立てて行うこと。それが大事なのではないかと感じています。そうはいっても、常に変化する中で、うまくいかないことや、くよくよしてしまう出来事に遭遇することもあると思います。過去の出来事を思い出して後悔したり、ケアする人もされる人も色々な感情が蘇ってくることもあるでしょう。

次回は、”ゆるす”ことをテーマにお伝えしたいと思います。

コチラもご覧ください⇒人生ストーリーと「音」の深い関わり

 

(株)キャリパース代表
心×才能 可能性を拓く専門家
伊東明子

 

 

 

 

 

 

 

 

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