「般若心経」:「空」とは何か?

佐治晴夫さんの「宇宙のカケラ」をヒントにこれまで捉えにくかった「空」の思想を物理学、量子力学の観点からとらえ直していきます。「般若心経」:人生の謎にせまる で前回お伝えした内容はこちらです。

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「般若心経」は、「苦」からの解放を唱えたものです。「苦」とは、私たちが「思い通りにならない」と思っていることで、これは状況によって「苦」になったり、ならなかったりする。全ては人間の「心の幻想」によるものだからというのです。これが、「般若心経」の根底にある「空」の思想です。

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仏陀は、「思い通りにならないこと」の代表例として、老いていくこと、病になること、死をあげています。一方で、仏陀は、これら「苦」の原因は「執着」であるとし、「執着」を手放すことが「苦」からの解放だと説いたのです。つまり、物事の執着を「諦める」こと。「諦める」とは、物事の執着が不必要だということに気づくこと。そのことが「明らかになる」こと=「無明」(むみょう)だと説いたのです。これに対して、般若心経は、「苦」そのものの存在を否定し、人間の心の幻想と考えたのです。これが「般若心経」の根底にある「空」の思想です。

■「空」の概念とは?

人間の体は星のカケラ、もっと詳しくいうと数十兆個の細胞が集まってできています。つまりあなたは「あなた」からではなく、あなた以外のものからつくられている。それがあなたの体の正体です。

このことは、すでに「般若心経」から始まる「一陽来福」の中でお伝えしました。こうした、物質の相互依存の関係は「空」の思想に通じるものがあると佐治さんは述べられています。「空」は、からっぽ、がらんどうをイメージするかもしれませんが、仏教の世界観による「空」は、全ては独立した存在ではなく、相互に関連している「根源的性質」を意味します。つまり、特定の形をもつ実体がなく、他との関係において色々な形をして変幻自由に存在しうるものだということです。

たとえば、縦線と横線が交わる模様を白紙に書いてみます。その交差点を小さく消すと、そこは何もない空白になります。これを遠くから見ると、小さな白い円が生じたように見えます。

つまり、私たちが実体として見ている姿は絶対的なものではなく、まわりとの関わりによって変わるものであり、錯覚、幻想にすぎない。それこそが「空」であり、「無自性」(むじしょう)とも呼ばれています。

■煩悩は、「修業」で断ち切れるか?

多くの悩みは、「ああしてほしい」「こうなってほしい」という煩悩から生まれています。そして、昔から僧侶や一般の方がたが様々な「修行」を試みてきました。座禅、滝修行・・etc。それらによって煩悩はなくなったのでしょうか?もし、「もっと○○してほしい」という煩悩が、実体として存在するのなら、その実体を修業によって消し去ることは物理的にできないことになります。実体を心で消し去ることなどできないからです。しかし、煩悩の実体がそもそも「空」であるのならば、実体がないのだから、心で消し去ることも可能になる。何もないがゆえに、色々なことを生み出すことも、消し去ることもできる。これが「空」の概念を理解する上でとても重要になります。

つまり、あなたが”今”、人生の岐路に立ち、苦難に満ちたものであったとしても、宇宙的のカケラとして存在する私たちは、周りとの関係性によって「物の見方」が固定されているだけであって、絶対的なものなど何もない。だから、その場にとどまってあれこれ考えるのではなく、煩悩の実体は「空」であるということに気づくこと。それによって、心が救われ、癒しが起こるのです。

昔から日本人は、禅寺の池を眺めて癒されてきました。「水」が全てを包括する根源であるように静かな水面には、何もないがゆえに、色々な”景色”を映し出すことができる。悲しみやつらさを抱えていても、禅寺を歩きながら見えてくる風景が次々に変化していくと、全ての根源である「水」がネガティブな感情を洗い流してくれる。だから頭もいつしかからっぽになる。池をぼっと眺めていたら心が癒された・・という体験はきっとあなたにもあるのではないでしょうか?

「空」は、水のごとく”全て”を含むことができるものなのです。

 

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(株)キャリパース代表
心×才能 可能性を拓く専門家
伊東明子

 

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