「啐啄同時」が人財育成の礎となる

母の日、庭先で鳥の鳴き声が響き渡り、親鳥が雛を想う気持ちにも似たすさまじい生命エネルギーを感じました。「啐啄同時」(そったくどうじ)という禅語はご存知でしょうか?「啐啄ノ機」とも言われています。親鳥は生んだ卵を温めて孵化させます。まさに孵化するその瞬間、中にいる雛鳥はくちばしで内側からつっついて殻をコツコツつっついて破ろうとします。子が内側から突くことを「啐」といい、親鳥が外側から雛鳥の誕生を助けるしぐさは「啄」と言われています。

雛鳥が殻を突いて内側から生み出そうとする「啐」と、親鳥が外から殻を突いて雛鳥の誕生を助ける「啄」によって、つまり、親子の呼吸がぴったり一致し、一体化した状態のときに新しい「命」が生まれてくるのです。親の力も雛鳥の力も両方がないと「命」の誕生はないのですから、どちらも「頑張ったね」ということになりますよね。

子どものとき、インコ(ハルクイン)を飼っていて、雛鳥が生まれてくる瞬間は、緊張感と共に、そわそわしながらその成り行きを見守っていました。そして、ちいさな殻を自ら打ち破り産声をあげたときには、すごく感動したことを覚えています。生まれてきた子どもたちが、「ルるるるる~」「ラらららら~」と歌うような透き通る声だったので、ルルとララと名付けました(笑)。レイワも”R”で始まりますよね。だから、レイワと聞いたとき、歌うように調和する感覚がすぐに蘇ってきました。

「啐啄同時」という言葉は、教育、指導の全てに通じるものとされ、禅ではこれを重要視しています。師が成熟していなければ弟子の成長はない。反対に、師が弟子を励まし、悟りの機会を与えても弟子がそれに応える境地になっていなければ努力は報われないのです。つまり、弟子と師の間の「あうんの呼吸」が一致してはじめて新たな境地が生まれるというわけです。親子の関係であれば、親は子どもの成長を見守り、助けながらその成長段階に応じてサポートする。上司や部下であれば、部下の成長段階に応じてサポートする。ここに、「啐啄ノ機」と言われるゆえんがあると思うのです。

人財育成であれば、教える側の準備が整っていても、教えられる側の準備は整っているのだろうか?つまり、成長の機が熟しているのだろうか?と問い直してみる。この「内外からの動きが同時になったとき、事が成就する」ということは、必ずしも一対一の人間関係だけではなく、色々なことにあてはまるのだということを私自身、教えられてきました。特に、部下とのコミュニケーションにおいては、「答えを急がない」ということが大事なポイントになります。何かを実現させたいときに、自分の準備は万全でもなかなかことがうまくいかない場合があります。そういうときはあせってしまいますが、まだ、周囲(親鳥や万法)の準備ができていないのかもしれません。

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人財育成において、組織やチームで奇跡を生み出せたのは、

「啐啄同時」と調和がそこにあったから。

全ては、「愛が奇跡を生み出す」

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そんなふうにあらためて感じました。

あなたの「心の準備」はいかがでしょうか?

 

部下の育成に関しては、部下とのコミュニケーションの特効薬は?

離職防低下へ:チームの”達成感”をプロデュースするをご覧ください。

※万法については、「万法帰一」~増上寺と桜~をご覧ください。

 

(株)キャリパース代表
心×才能 可能性を拓く専門家
伊東明子

 

 

 

 

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