”自閉症”青年と「言葉を超える」体験

夢に出てきたことが気になって行動したら思わぬ道が拓けた・・といった経験はないでしょうか?直観、ひらめきに素直になると、シンクロニシティ(共時性)が起きて、人生が好転する。シンクロニシティはユングが提唱した概念で、「意味のある偶然の一致」と言われ、小さな奇跡からドラマティックなものまでありますが、それらを体験する前に大変な出来事があったり、何かを決断する前触れだったりすることが多いと感じています。

私たちが日常意識することは、「海に浮かんだ氷山」にたとえられますが、水面から突き出している部分が「顕在意識」で、水面下に隠れている部分が「潜在意識」です。「潜在意識」の割合は、全体の97%以上と言われ、本人にも自覚できないことが多いのです私は会社を辞めると決めたとき、「イルカと泳いでいる夢」を見て、ふとハワイを訪れたことがあります。2001年秋に世間をゆるがす事件があって、当時運用の仕事に携わっていた私は、心身共に疲れ切っていたのです。そこから救済してくれたのは、「夢」。身も心も軽くなってリアルにゆうゆうと泳いでいる夢を見たのです!

都会の騒音、満員電車にゆられ、オフィスのPCやプリンターの音の中で働いていると、いつしか表情は硬くなってしまい、耳はストレスを感じていたようです。だから、ハワイの海のバイブレーション(超音波)をあびて、「音の記憶」を書き換え、エネルギーをあげる必要があったのでしょう。長い間休みを取れずにいたのですが、すぐに休暇をを取る許可を得て、イルカと泳ぐツアーに参加したのです。ツアー2日目にして、大群のイルカと出会い、”キュウ”という鳴き声と水をキックする音のハーモニーで心も体も解放されたのです。

■イルカと泳いだ”自閉症”青年の変化

野生のイルカと泳ぐツアーの中に、看護師のお姉さんと共に自閉症の青年がいました。ちょうど、移動するタクシーの中で、みんながおしゃべりを始めると、”目を閉じて”、誰ともコンタクトをとろうとしません。「一人にさせて!」というサインと読み取り、私は何も話しかけずにいました。ところが、いざ、海に飛び込みイルカと泳いでみると、表情がイキイキとしてきました。突然、海の奥底から大量のイルカの群れが現れたかと思うと、子イルカたちが海辺の私たちのところに近づいてきて、顔を出し、たわむれ始めたのです。ハワイの野生のイルカとしては珍しいようです。どうやら、高度なコミュニケーション能力を持つイルカは、青年の心を癒し、泳ぎの得意でない私たちと楽しく遊んでくれたようです!

イルカに関する研究調査によれば、人間が聞き取れる音(可聴域)は、2万ヘルツなのに対して、イルカは最高で20万ヘルツ、人の10倍の音感能力があるといわれています。さらに、イルカは人間では見えないような傷ついた心を察知して、体に障害を持つ人、自閉症の人や心に傷を負った人に近づいてくると言われています。イルカは仲間だけでなく、他の生物も助けるそうで、まさに、”心を拓く”天才!イルカと泳いだ後は、右脳をつかさどるイメージが豊かになったり、直観がさえたりして、普段、言葉や数字を使ったり論理的思考に偏っている人には、バランスを保つきっかけを与えてくれるようです。何より驚いたことは、イルカと泳いだ後に、青年が書いた絵が素晴らしかったことです!

何かが解けて混ざり合い、一瞬で時空を超えるような感覚になり、私は思わず、「素敵!」と拍手していました。言葉を交わしたり、対人関係を築くことは得意でないかもしれないけれど、”感じたことを絵にする”能力がとにかく素晴らしいのです。彼に備わっている「GIFT」だと思いました。さらに、人の能力は、言葉や表面的なものだけではわからない。人の潜在能力は計り知れない・・と感じたのです。

後で知ったのですが、ツアーの参加者はダイバーが多く、海に潜っていたので、子イルカと戯れて遊んだ体験をしていないとのこと。海に潜れないのは、私とその青年だけだったのです。シェアをするワークの最後に「勇気をもらったり、嬉しかった」など印象に残った人に対して、「一輪の花」を渡す時間があったのですが、ナント、その青年が、ニコニコしながら私に近づき、そっと花を手渡してくれたのです!言葉をあまりかわさなかったにもかかわらず、同じ体験を共有した仲間として認め、受け入れてくれたのでしょうか?穏やかなまなざしとすがすがしい笑顔がなんとも印象的でした。

■自分も”相手の心も拓く”鍵とは?

これまで人と人が出会う体験、精神的な成長へと導かれた経験はないでしょうか?日常におけるふとしたサインや直観を信じたその先には、人智を超えるような素晴らしい体験が待っていることがあります。一見、偶然に見えるような出会いや体験の中に、本来の自分や未来の在るべき姿が隠されているように感じます。日常から離れて自然界からたくさんのエネルギーをもらうネイチャーセラピーは、人の心をオープンにし、与えられた「GIFT」に気づくようにしてくれます。

気づくことで、全身にパワーがみなぎって、ハッピーになれる。それが、自分も”相手の心も拓く”鍵となる。

ツアーには、自閉症の青年のお姉さん(看護師さん)以外にも、セラピストやケアする現場で働いている人、子育て中のお母さんなどが参加されていました。ケアする人の「セルフケア」の大切さはもちろん

「伝える力」は、言葉だけとは限らない。ハートが大事。

そのことに気づかせてくれた体験です。自分自身だけでなく、お客様や周りの人が人間関係によるストレスを感じたとき、言葉で想いを伝えられないもどかしさを感じたときにふと思い出す体験です。

 

(株)キャリパース代表
心×才能 可能性を拓く専門家
伊東明子

 

 

 

 

 

 

 

Follow me!

職場のメンタルヘルス:「マインドフルネス」研修のご案内

感じ取る「身体創り」で心に調和を!

職場ですぐに使える!「セルフケア」 ~禅+マインドフルネス瞑想~
音、リズム、呼吸法によるリラクゼーションワークで
「思考」からインスピレーションへ!


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です