職場の”パワハラ”を乗り超えた40代女性のストーリー

職場のメンタルヘルスの不調を訴えながらも頑張っている方々はたくさんいます。「この頭を取ってしまいたい!」とせつに訴えた40代女性(Aさん)が、職場を辞めることなく今の仕事を続けたいと「メンタルトレーニング」を受講されて、約1か月後に、他人の言葉に左右されずに、”今”の自分を俯瞰することができるようになった事例を紹介します。

「パワハラ」とは、権力(パワー)や立場を利用した「嫌がらせ」のことで、意外と認識が低いのですが、繰り返し行われいてる」点がポイントとなります。「パワハラ」発言については、本人の自覚がない場合もあるのですが、大企業に勤務、男性の上司、男性中心の社風の中で働くAさんのケースでは明らかに暴言や本人が望まない部署への移動などが見受けられました。

そのような中で、まず、Aさんの心身の不調を回復させることに重点を置いて、ひたすら話に耳を傾けました。Aさんは、女性にしては冷静に物事を見ることができる方ですが、反面、感情を抑えてしまう傾向があり、それが日々のコミュニケーションスタイルに現れている感じでした。原因を論理的に納得して「視覚化」した方が良さそうだったので、最初に「エゴグラム」の質問シートに答えて頂きました。

エゴグラムとは、M・デュセイ (John M. Dusay) が考案した性格診断法で、①厳しい親である CP(Critical Parent)②優しい親である NP(Nurturing Parent)③大人らしさの A(Adult)、④自由奔放な子供である FC(Free Child)⑤従順な子供である AC(Adapted Child)に分類し、これら5つの自我状態が放出する心的エネルギーの高さをグラフ化する方法を考案しました。

Aさんの場合は、CP(厳しい親)、A(大人らしさ)が強く、NP(優しい親)やFC(自由奔放な子供)が低い傾向にありました。エゴグラムの分析方法など詳細については割愛しますが、クールな大人としてのイメージがある反面、自分にも他人にも厳しい面があり、人に甘えるのが上手でないことがわかりました。詳しくお話を聞いてみると、両親ともにクールで感情を抑えてしまう傾向があり、特に、父親が厳しかったようです。今のコミュニケーションのスタイルがどこからくるのか、現在、どのようなコミュニケーションスタイルをしているのかを図解することでAさんは深くうなずいていらっしゃいました。

■思考、感情、身体、行動にアプローチする

ロンドンのストレスマネジメントの研究によれば、思考、感情、身体、行動による各要素間には密接な関係があると言われて、ストレスから解放するためには、他の要素にアプローチすることが重要だとしています。

Aさんは、「この頭を取ってしまいたい!」というほど、いつも上司からのパワハラで頭がグルグルしていたので、身体にアプローチする方法を模索しました。Aさんはすっかり忘れていたようなのですが、実はダンスなど体を動かしたり、絵を描いたりすることが好きだったのです!そこで、子供のときに好きだったこと、ワクワクすることをイメージしてもらったり、五感に響くこと、普段使っていない感覚を磨いて感性を取り戻すことに集中したのです。その甲斐あって、少しずつ、自分らしさを取り戻していきました。

■パワハラを乗り越えた”感謝の手紙”紹介

一見マイナスの出来事の中にも、必ずプラスの出来事が存在し、そのことに気づいたときから本当の成長が始まります。Aさんは、もともとたけていたクールさに、子供心を取り戻して、笑顔が戻ってきました。成長したAさんからのお手紙(一部)をご紹介します。

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「メンタルトレーニング」を1か月近くご指導頂きありがとうございます。振り返ってみると、エゴグラムの結果説明とコミュニケーションスタイルの図解で、自分を取り巻いているいる現状の主因がここにあったのか!と裏付けがとれた感じがしました。あと「身体を使って頭のフル回転をクールダウンしていきましょう」という提案されたことも意外でしたが、ダンスやボイトレにも目を向けるきっかけになりました。音楽のイメージを絵にするのもおかげで自分の中に色を少し取り戻した感覚です。

前よりも職場で感情を出したり、ひと呼吸おいて観察し、自分を整理してから返答することが自然にできるようになったことに自分が一番びっくりしています。先日もメンバーの前で5分程パワハラ発言を受けたのですが、意外な程冷静な自分と冷静な返答をする自分、さらにはその後、一人になったとき、思い出し笑いをする自分がいて本当に驚いています。やはり自分自身が何か変わったなと実感させられています。

このタイミングでメントレを受けて本当に良かったです。メントレ以外でも伊東先生とお話できるのが楽しみで、色々と嫌なことがあってもきちんとした人同志の会話ができることが本当に救いでした(・・中略)教えてくださった様々なこと、「Aちゃん。頑張れ!」と何度も言って下さったことを思い出して、なるべく未来を信じて対処していこうと思います。本当にありがとうございました。

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(株)キャリパース代表
心×才能 可能性を拓く専門家
伊東明子



 

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