教えて!心のドクター「ストレスケアの再生ストーリー」インタビュー第二回アップしました!習慣を変える「脳の訓練」とは?~習慣化のポイントについて~

時代が大きく変わる中で、「変化の波に乗ること」が求められています。しかし、古い習慣を変えることは難しいと感じている方が多いのも事実です。脳科学、心理学に基づいた研究結果をひもときながら、ストレスケアについて精神科医の阿部正人先生に伺う、教えて!心のドクター「ストレスケアの再生ストーリー」。第2回目は、「習慣」についてです。

精神科医 阿部正人先生  インタビュー (株)キャリパース 伊東明子

EI(感情的知性)を提唱しているダニエル・ゴールマンが勧めている、EIを高めるための初歩的かつ実践的な方法があります。それは、自分が積極的に取り組む分野は、「他者からのフィードバック」と「自分自身の願望にとって最も重要な分野」とが交わる部分を選び、必要な行動を積極的に習慣化すること。具体的には、自宅でも職場でも機会を見つけて絶えず「脳を訓練する」ことで、脳のもつ「神経の可塑性」により習慣化が完成するというもの。(ダニエル・ゴールマン)出典: http://www.dhbr.net/articles/-/5623

 

Q:習慣は「第二の天性」と言われますが、習慣化するまでに時間がかかって、途中でやめてしまう人も多いのではないでしょうか?「習慣化しよう」「継続しよう」と考えると苦しくなることもありますよね。そこで、「習慣を変える」ためのポイントについて教えてもらえますか?

「人間は変化を嫌う」

A:はい。習慣を変えるのが難しいのは、もともと「人間は変化を嫌う」という性質をもっているからです。

Q:人間が元来もっている性質ということですか?

A:はい、そうです。太古の昔は、昨日まで上手くいったことを今日も続けることが生存確率を最大にすることでした。そして、太古では、新しいことを試みることは、高い確率で死を意味し、そのような傾向のある祖先は淘汰されてしまっているはずです。ですので、ごく最近までは人間の行動パターンはほとんど変化していないと言って良いと思います。

代わりに、新しいことをしようとしたら、できるだけ元の状態に戻そうとする働き、ホメオスタシス(現状維持機能)が装備されていて、それが数万年に渡り有効に働いてきたのです。

「習慣化はいつ頃から?」

Q:なるほど、ホメオスタシス(現状維持機能)の働きが、数万年にも渡り作用してきたのですね。それでは、習慣化が言われるようになったのは、いつ位からなのでしょうか?

A:近代化に伴い、生産性向上とかが叫ばれるようになった、せいぜいここ100年とか200年位の話だと思います。人類はそれよりずっと古い約20万年の歴史があり、人類の本質的な機能がそんな短期間で変われるはずはありません。

「脳神経の可塑性とは」

しかし、一方で、脳科学や心理学などの学問の発達によりダニエル・ゴールマンの説明にもある「脳神経の可塑性」ということが発見され、人間には習慣化に必要な機能が備わっていることが明らかになってきたのです。

Q:そうなのですね。「神経の可塑性」というと何だか難しそうですが、もう少し詳しく説明して頂けますか?

A:はい。

「神経の可塑性」というのは、「小さな変化を繰り返すことで、神経回路に加えた変化を永久に残す(固定する)ことができる」という性質のことです。

 

・これは、新しい行動を繰り返し継続することで、脳の神経回路がかわり、異なる行動をパターン化することができる性質が我々の脳にあるということです。

・環境の変化に適応するための機能といえるもので、環境の変化に適応して生き延びた我々祖先の遺伝子のおかげともいえます。

ポイントは、「繰り返す」ということですが、実際に習慣化のために行う場合は、できるだけ無理のないものから始めるべきです。これは、あまりにもかけ離れた行動の場合、前述のホメオスタシスによる影響を受け、続けられなくなるからです。

 

「習慣化のために必要なこと」

Q:確かに、「繰り返す」ことによって、知らず知らずのうちに新しい行動が身について、そうなってしまってからは逆に行動しないと気持ち悪くなってきたりしますよね。

ところで、この「繰り返す」ということですが、経験上、習慣化するまでの間、誰かのサポートがあるとうまくいくように思いますが、一人で行えない場合は、意志が弱いと思わずに、サポートや協力を求めた方がいいのでしょうか?

A :そうですね。私は、こうした周りの人からの影響、つまり、環境の影響はとてつもなく大きな力をもっていると考えています。 言い換えると、これがあれば、結構大きな変化も習慣化できるということです。ですから、コーチ、先輩、同僚など自分以外の他人の協力(管理、応援)を得ることができるのでしたら、是非、利用すべきで、それによりこの問題を乗り越えることは可能だと思います。

Q:周りからの協力があれば心強いですよね。世界中、どこにいてもやるべきことをやっているか確認してもらうだけのために「コーチ」を雇っている人もいる位ですから。自分の意志とは無関係に、やらざるを得ない環境を創ると継続できるように思います。

「習慣化に必要な期間」

習慣化に必要な期間や、習慣化の効果や辛さ等について教えてもらえますか?

A:そうですね。習慣形成までの時間については、一般に、個人差はありますが、思考のパターンの習慣化は、3週間位、肉体の変化を伴うものは3ヶ月位の期間が必要ということが言われています。

「繰り返しの効果-複利の効果」

A:1日にわずか「1%」改善するとして、

100日、365日繰り返した時の変化は?

1日目スタート 100✕1.01

2日目 100✕1.01✕1.01=100✕(1.01の2乗)

‥‥

100日目 100✕(1.01の100乗)=164→1.64倍

365日目 100✕(1.01の365乗)=3780→37.8

この数字、想像の域を超えているように思いますが、実感できるでしょうか!?

 

「習慣化に伴う辛さの変化」

次は、辛さの感覚を実感してもらうために、話を簡単化して考えます。仮に365日後の状態が習慣化完了で、ほとんどストレスフリーで行えるようになったと考えます。そうすると、365日後の能力3780との差が、日々の辛さと考えられます。

Q:ということは、やり始めたその日が辛さとしては、「最悪」で、それ以降は楽になっているということですね。そして、徐々にストレスフリーに向かうと考えると、始めの一歩を踏み出すことへのハードルも少し下がるような気がしますね。習慣化する際、「数値化」できると、継続するのに励みになりますよね。脳の訓練というように難しく考えずに、トレーニングをゲーム感覚で行えるような感じでできるといいですね。本日は、どうも、ありがとうございました!!

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習慣を変えるとき、最初の一歩を踏み出すまでに時間がかかるのは、数万年も続くホメオスタシス(現状維持機能)の影響であるということに納得しました。「なかなか、始められないのはなぜだろう?」「自分だけなのではないか」などと思わずに、まず、この事実を受け入れて、「始めたその日が最悪で、あとは確実に楽になる」と考えて最初の一歩を踏み出してみる。その際、ポイントは、「繰り返す」こと。その際、コーチや応援してくれる環境を整える、記録をつけるなど習慣化できるツールやシステムを構築することが大事だと、今回の対談で改めて思いました。これまで行ってきた「メンタルトレーニング」では、毎日記録をつけ「感情曲線」を数値化したり、1週間ごとに「良かったこと、悪かったこと」について振り返りをしていますが、その方法は有効であると実感しました。

『習慣を変える「脳の訓練」とは?~習慣化のポイントについて~』 について、ご理解頂けたでしょうか?今後もまた、脳科学、心理学に基づいた研究結果をひもときながら、ストレスケアについて実践で役立つ情報をお届けしたいと思います。

㈱キャリパース代表 伊東明子プロフィール:心×才能を拓く専門家 一人ひとりに与えられた才能、魅力(GIFT)に気づいて、不安を手放し、心を軽くする「未来展望コンサルティング」、リラックスしてパフォーマンスをあげる「メンタルトレーニング」、企業、医療、介護現場の人財育成・離職防止サポートでストレスケアの普及活動をしています!

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心のドクター阿部正人先生のプロフィール:

精神科医 医学博士 精神保健指定医、精神保健判定医

東京大学工学部精密機械工学科卒業。精密機器メーカー 研究開発部門勤務。その後、秋田大学医学部に再入学

秋田大学医学部附属病院 精神科入局 秋田県立脳血管研究センター神経内科、同センター脳卒中診療部 勤務後、市立秋田総合病院 精神科等で勤務。長年、地域の基幹病院で児童から高齢者まであらゆる精神疾患の診療に携わると共に、精神科救急、一般救急外来での救急業務にも従事。2009年には、「精神科病棟入院中の患者さんを対象とした静脈血栓塞栓症の予防と早期発見に関する研究」で日本総合病院精神医学会 学会賞。これまで、精神医学に加え、心理学、脳科学、NLP(神経言語プログラム)、催眠療法、コミュニケーション、感情のコントロール法など幅広く学ぶ。

著書に「手放すためのストーリー」~もっと心が自由に軽くなる♪

 

第1回『良い内省と悪い内省とは? ~「なぜ」型内省と「何」型内省の違い~』

 

 

 

 

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